松川浦(文字島)概要: 松川浦は南北5キロ、東西3キロの入江で砂洲によって太平洋から独立している福島県唯一の潟湖で海水と真水が混合した低塩分の汽水湖です。入江内部には大小様々な島が浮き、古来から相馬藩主の遊休所とされていた所で、風光明媚な所から日本三景の松島(宮城県松島町)にならい小松島と例えられています。
江戸時代初期の貞享5年(1688)には中村藩(藩庁:中村城)5代藩主相馬昌胤が松川浦周辺の名勝12箇所を選定し、狩野派の絵師によって描かれた絵画と和歌を制作しています(名称「絹本著色松川十二景和歌色紙帖」として相馬市指定有形文化財に指定されています)。
写真にある島は文字島と呼ばれ、「松川十二景(松川浦・水茎山・飛鳥湊・離崎・松沼浜・川添森・文字島・紅葉岡・沖賀島・沖賀島・長洲磯・鶴巣野)」の1つに数えられ松川浦の象徴的な存在です。
松川浦は景勝地だけでなく潮干狩りや磯釣のスポットとしても有名で、周囲には原釜漁港や磯部漁港などの漁港が控え、海苔の養殖の無数の竹竿が独特な景観を造りだしています。
松川浦は昭和2年(1927)に大阪毎日新聞社、東京日日新聞社主催、鉄道省後援による「日本百景」、昭和26年(1951)に「松川浦県立自然公園」、昭和62年(1987)に(社)日本の松の緑を守る会による「白砂青松百選」、平成13年(2001)に環境省による「日本の重要湿地500選」に選定されています。
松川浦:上空画像
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